シダ園
日本には多様なシダ植物が生育しています。シダ園には、様々な科の代表種が50種、オシダ属やヤブソテツ属など日本の代表的な種が約80種、ミズニラなどの水生シダ3種、合計約130種が集められています。
多湿・弱光環境を好むシダ植物に適した環境を維持するため、シダ園は半地下として湿度を保つ構造とし、遮光幕をかけて半日陰をつくっています(写真上)。シダ園内には、日本列島に自生する代表的なオシダ科植物をはじめ、現在(2005年4月)108種のシダ植物を植栽しています。夏緑性の種は冬季は地上部が枯れ、ご覧になることができませんが、芽生えの時期を迎えると、一日一日生長するシダの様子を観察することができます。シダ園には、正門から坂を上り本館から柴田記念館の方へお向かいください。柴田記念館の向かい側にあります。
[注意!]石組にのぼると大変危険です。上段の植物を観察するときには、対角線状に石段がありますので、そちらをご利用下さい。
ゼンマイ属植物(ゼンマイ科)Osumunda, Osmundaceae の萌芽
山菜として知られるゼンマイを含むゼンマイ属(全8種のうち7種)の葉が展開し始めました。ゼンマイ類の胞子葉をご覧になれるのはこの時期だけです。胞子葉は、胞子を放出したらすぐに枯れ、秋までは栄養葉という胞子をつけない葉だけをだします。
- ゼンマイ (Osmunda japonica Thunb.)
- ゼンマイの胞子葉は葉緑体をもっているので緑色です。
- ヤシャゼンマイ Osmunda lancea Thunb.(日本の固有種)
- ゼンマイ巻の若葉には綿毛がついています
- ヤシャゼンマイの胞子葉
- レガリスゼンマイ Osmunda regalis L. var. spectabilis (Willd.) A. Gray
ゼンマイの姉妹種。北~南米、ヨーロッパ・中央アジアに分布。葉柄が赤紫色なのが特徴。
- ヤマドリゼンマイ Osmunda cinnamomea (L.) Pr.var. fokiensis Copel.
胞子葉のアップ
- ヤマドリゼンマイ Osmunda cinnamomea (L.) Pr.var. fokiensis Copel.
全体写真
他には・・・・・
- ツクシイワヘゴ (オシダ科) Dryopteris erythrosora (Eat.) O. Kuntze ;Dryopteridaceae 鱗片が黒い。
- ヤマヤブソテツ (オシダ科) Cyrtomium fortunei J. Sm. var. clivicola (Makino) Tagawa; Dryopteridaceae
- クサソテツ (イワデンダ科) Matteuccia struthiopteris (L.) Todaro; Woodsiaceae 若芽はコゴミと呼ばれ、山菜として食されています。他に胞子葉はドライフラワーとしても利用されています。
- シノブ (シノブ科)Davallia mariesii T. Moore ex Baker; Davalliaceae 古くから鑑賞用に栽培されています。
着生シダなので、つるして栽培します。
- チャセンシダ (チャセンシダ科)Asplenium trichomanes L. ; Aspleniaceae
これから様々なシダ植物の萌芽が見られますので、随時更新し紹介していきたいと思います。