Curtis’s Botanical Magazine小笠原特集号が出版されました
研究・教育活動
2025.02.26
イギリスの王立キュー植物園から出版されているCurtis’s Botanical Magazine 41巻3号で、小石川植物園において研究や保護増殖事業が行われている小笠原諸島の植物が特集されています。
1879年に東京大学植物学教室の初代教授矢田部良吉、助教授の松村任三らが父島に上陸し植物調査を行って以来、植物学教室の研究者や卒業生らが度々小笠原を訪れてきました。1968年の小笠原諸島返還に伴い、東京大学の山崎敬らによって行われた植物調査以降、多くの固有の植物が個体数を減らし絶滅の危機に瀕していることが認識され始めました。1980年代には小石川植物園の技術職員が小笠原の植物の保全に着手し、東京都による事業化を経て、環境省の委託による保護増殖事業として現在も継続されています。植物学教室と小石川植物園は実に150年近く小笠原の植物と関わり続けてきたと言えます。
本特集号には保護増殖事業の対象種であるムニンツツジ、コヘラナレンを始め、ワダンノキ、シマムラサキなど12種の小笠原諸島の固有種が掲載されています。小石川植物園の研究者を始めとした専門家によるによる植物解説と、王立キュー植物園公認画家山中麻須美氏と門下の植物画家の皆さんによる植物画をぜひご覧ください。
図 ムニンツツジ Rhododendron boninense Nakai 山中麻須美 画

論文情報(一部オープンアクセス)
https://onlinelibrary.wiley.com/toc/14678748/2024/41/3